個人のブログ

はい！！先程やっとミニシナリオが完成しました！！長かった・・ほんとに長かったです（涙） ということで、今日はシナリオだけです・・さすがに疲れましたｗまだまだ拙い部分はありますが、ぜひ読んで見てください！！要望がありましたら＆もしかしたら続きを書くかもしれないのでｗ



それでは！









シナリオ第一回　　「平和そして境地」

「行ってきまーす・・・」
「もっとやる気を出しな！」
「行ってきます！！」
朝から実の母親より訂正を喰らいながら
家を出た。
少し大人びた顔を持った少年がこの物語の主人公、
久我原　真（まこと）である。
普通の家に住む、どこにでもいる少年。と本人は信じている。
「おはよ～♪」
となりの家から出てきたショートカットの女の子。
真とは昔からの友達で、いわゆる幼なじみである。
家を出るタイミングもばっちりだ。
名前は榊原　佳奈（かな）。
顔は周りと比べてもかわいい方だ。さらに面倒見が良く、
勉強、運動もトップレベルである。まさに完璧超人である（笑）
いつも下から数えた方が早い真にとっては最高の友であり、良い相談相手である。
しかしテスト前になるとがり勉モードになってしまうので
ノートを借りることが出来ない。
「今日もいい天気だねぇ～♪」
「まったくだ。晴れてもいい事ないのにな」
「まーたそんなこと言って～ｗ」
そんな他愛のない会話だが、二人にとっては日課になっている。
「そういえば進路希望の紙もう提出した？」
「いんや、まだだが？」
「ダメだよ！提出期限明日なんだから！早く書かないと！」
「そんなこと言っても、これから何をしたいかなんてまだわからないし」
「んー・・あっ！そういえば機械いじり好きだよね。工学系考えたら？」
「確かに好きだけどさ～。俺理数系苦手だし」
「なら勉強しなきゃ！私でよかったらいくらでも付き合うよ？」
「そんなこと言ってお前はどうするんだ？」
普通に話を変える。さすがと言うべきか。
「私？んーと、保母さん・・目指そうかなって・・」
「あー前から言ってたな。」
実を言うと佳奈の母親は保母さんなのだ。その影響なのか、物心付く頃には自分も
保母さんになると話していた。
「うん。世話するの好きだし♪」
満面の笑みで答える。
（俺の将来か・・・何したいんだろ？）
真は心の中で考えた。果たして自分が将来やりたいことはあるのかと。
だがいくら考えても答えは出ない。
「どうしたの？」
佳奈の声でハッと我にかえる。
「いや、なんでもない。ま、頑張れよ」
そう言って佳奈の頭を撫でる。
「もう！ぐしゃぐしゃになっちゃうよ～」
とか言いながらも頬を真っ赤に染めている。
（すぐ顔に出るんだよな、こいつ）
名残惜しくも撫でるのをやめた。背中に寒気が襲ったからだ。
「真せんぱーーーーーい！！！」
遠くの方で声が聞こえる。声からして女の子のようだが、朝だと言うのに大声で走ってくる。
「チッ！今日は早いな！佳奈！かばん持っててくれ」
佳奈にかばんを渡す。
「ガンバ～☆」
かばんを受け取りながら応援をする。気のない声で。
「真せんぱーーーーーーーーい！！！！！」
先程よりもはっきりと声が聞こえてきた。短距離走で世界新記録を出す勢いだ。
「うおおーー！」
身構える。そうしないと命が危ない。
「タックルーーー！！」
「ぐはっ！」
ドスッ！という音とともに真の胸にぶつかってきた。
「お久しぶりです！先輩！！」
真に抱きつきながら喋り出す女の子。まだ幼さの残る顔で、ツインテールの少女だ。
小学生と言っても信じてもらえそうだ。
「コラッ！朝っぱらイテェだろうが！リンス！」
この少女の名前は結城＝フロージア＝リンス。真と佳奈の一つ下で、後輩にあたる。
日本人とアメリカ人のハーフらしいのだが詳しいことはわからない。
わかるとするならば「猪突猛進」と言うことだけだ。
「だって１５時間ぶりなんだよ？半日も会ってないんだよ！！」
「だからって毎日タックルしなくてもいいじゃねぇか！」
そう。このタックルは通学途中毎日なのだ。日々腹痛に悩まされているのは言うまでもない。
「まったく。普通に来れねえのか？お前は」
「むー！可愛い後輩が毎朝抱きついてあげてるのに～！」
リンスも女子の中では高ランクだ。しかもその愛想の良さで、告白してくる男子はキリがないという。
その度に振っている。
「ほら二人とも、喧嘩してないで学校行くよ～」
佳奈が真にかばんを返しながらほのぼのとした声で言う。
「ああ・・」
「はーい♪」
これが真たちの朝なのだ。このときはまだ真本人でさえ想像できなかった。
この生活が二度と戻ってこないことに・・・


真たちの通っている学校は十字路の向こうに位置している。
信号を超えれば登校したも同然だ。
しかしここの信号は長い。その性で遅刻する生徒も少なくない。
真たちは後一歩で赤になってしまい、気長に青になるのを待っている。
他にも信号待ちしている生徒が何人かいる。学年は様々だが、各々が友達と話している。
（やっぱり長いな、ここの信号は）
そう思っているうちに青になる。待ってましたとばかりに生徒たちが歩みだす。
もちろん真たちもだ。
その時、一台のトラックが信号を無視して交差点に向かってきた。
しかも丁度真たちに向かって・・・
（なにっ！）
あちこちから悲鳴が上がる。
三人とも動けずにいた。当たり前だ。咄嗟の出来事に足が動かない。
（逃げろ！！逃げるんだよ！！）
心の中で叫んでみても身体が言うことを利かない。
時間がゆっくりと動いているように感じた。
（俺、ここで死ぬんだ・・）
そう思った瞬間、トラックが真たちにぶつかった・・・




（・・ん？）
もう死んだと思っていた真だが、生きていた。
手も足も顔も身体も何一つ変わっていない。周りにはトラックの破片が散らばっていた。
「あれ？どうしたんだ。なんで俺生きて・・・・・佳奈！リンス！」
濛々と煙が立ち込める中、反射的に二人の名前を叫んだ。
同時に前を見て呆然とした。
―――――輝いていた。
よくマンガなどで見る魔法陣だ。しかし、それよりも遥かに大きく、見たこともない文字が並んでいた。
そして気が付いた。手をかざし、魔法陣を出したと思われる人物がいることに・・
「だ、誰だ！」
煙が晴れ、その人物が現れる。その顔には見覚えがあった。
「リ、リンス・・・なのか？」
そう、先程まで横にいたリンスだった。
だが無邪気な顔は消え、無表情だった。何より雰囲気が、オーラが違っていた。
まるで今まで押さえ込んできたことを全て出し切ったかのように・・・
そしてその無表情の口が開く。
「お久しぶりです。ゴルクラッド様。そして我が主よ。」
　　　　　　　　　


続く・・カナ？（汗）